病状別漢方治療 電話番号

眼精疲労における漢方治療

漢方では、生体機能を担っている基本的な構成成分として、気、血、水の3つの要素があります。気は人体のすべての生理機能を動かす生命エネルギーであり、血、水は体を構成する要素です。血は血液に相当し、水は体液やリンパ液など体内の水分であり、血、水は気のエネルギーが原動力になって体の中を循環しています。
気、血、水は一定の量を保っていて、互いにバランスを取って、体中を巡っています。気、血、水の量のバランスがよく、循環が良好であると、体の新陳代謝、生体防御力、恒常性維持機能が十分に働いて、体の自然治癒力が高まります。
量の過不足、流動の乱れ、停滞、或いはバランスが取れなくなると、目、体が病気になります。漢方医学では、体の自然治癒力を高めるためには、気、血、水のバランスを良くし、循環を良好な状態にすることが必要条件と考えています。
漢方治療は気、血、水のバランスの調和、五臓六腑機能の調節によって、目の病気を治療し、全身的な機能を回復 、強化することが出来ます。
眼精疲労に対する中医学(漢方医学)の認識
古人が「肝脈は目に注ぎ、目は肝竅たり」、眼精疲労は漢方には肝労と言います。近距離の眼の使いすぎで起きた目の張り痛み、乾燥感、かすみなどの症状です。目周りの骨の痛み、頭痛、眩暈、いらいら、どきどき、不眠、健忘の症状も現れる。性別、季節と関連がなく、近視、遠視、斜視、老眼、目を良く使う人、虚弱の人が良くかかります。
肝労の病名は唐の時代「千金要方・七竅門」に初めて記載された。該書には、”其読書、博奕等過度用目者、名曰肝労”。「黄帝内経」には、本病の発生が労心傷血と相関、「久視者必労心、故傷血」と書いています。明代著名医家傅仁宇の「審視瑤函」には、発病の原因が腎水(腎の陰)の不足と考えられます。要するに、眼精疲労は五臓の肝、心、腎と関連があります。
病証鑑別
緑内障も目の張り痛み、頭痛、目頭の酸痛、かすみの症状があるけど、眼底検査で視神経が萎縮、視野検査で欠損が見られ、目が硬く、視界がだんだん狭くなることが眼精疲労と区別できます。
眼精疲労の漢方治療
中医学では、五臓六腑の栄養物質が上行灌注で、目は物が見られ、五色の色見分けができると考えます。多くは肝腎不足、心血不足、脾胃虚弱、肝気欝結などの要素と深く関わりがあります。目の使いすぎ、用眼の不適切が誘因になります。バランスが崩れた五臓の機能を調節してから、眼精疲労の症状が大分軽減され、起きる頻度も段々減ります。治療を続けて、用眼を注意すれば、治癒も可能です。
タイプ別漢方治療
(1)。心血不足
◆原因:心が主る血は脈を通して目に栄養を与え、目の視機能が発揮できます。
出血・過度の心労などによる心血の消耗、あるいは脾虚で血の生化の源が不足すると、目の栄養が足り無くなって、眼精疲労になります。
◆症状: ドライアイ、目の乾燥感、痛み、頭痛、動悸、眩暈、手足のしびれ感、舌質はやや淡白、脈は細。
◆漢方薬: 天王補心丹
(2).肝腎不足
◆原因:目は肝が貯蔵している血、腎が貯蔵している精、気(栄養物質)を受け取って、視機能を実現している。血、精、気が不足だと、目が栄養不足になる。
◆症状:目が脹って痛い、用眼が時間長いと症状が重くなる。ドライアイ、酸痛、他に頭が脹り、眩暈、耳鳴り、健忘、不眠、腰や膝がだるく痛む、冷え、疲れ、夜間尿が多い。舌質はやや淡白、脈は沈細、無力。
◆漢方薬:牛車腎気丸・杞菊地黄丸
(3)肝気欝結
◆ 原因:七情内傷によって肝の疏泄(肝気の流れ)が欝滞し、陽気の停滞あるいは平素から内熱があるために、引き続いて肝火の症状が現れること。
◆症状:目が痛い、光に弱い、涙が出る頭痛、目頭が痛い。憂鬱感、情緒不安定、ヒステリー、しゃべりたがらない、ため息、胸脇部が脹って痛い、胸苦しい、食欲不振、吐気、排便してもすっきり出ない、便が細い、便秘と下痢が交互に生じる、頻尿などが見られます。舌質は淡紅、舌苔は薄白、脈は弦。
◆漢方薬:加味逍遥散
眼精疲労における西洋医学認識
読書などのように眼を持続的に使うと、眼の疲労感、眼の重圧感だけでなく、全身にも疲労、頭痛、肩こり、吐き気などが起こることがありますが、これを一般的に眼精疲労といいます。
症状
最初は眼が重い感じがしますが、眼が痛くなり、じんじんし、かすんできたり、まぶしくなったり、眼が赤くなったり、涙が出たりします。
全身的には頭痛、肩こり、吐き気などが起こります。
原因
1.目になにか病気が起きている
◆ 近視・乱視・老眼やその矯正不良
近視・乱視・老眼が進むと眼球の内部では、なんとか網膜〈もうまく〉(フィルム)にピントを合わせようとして、水晶体〈すいしょうたい〉(レンズ)の厚さを調節する筋肉(毛様体〈もうようたい〉)の緊張が続きます。そして、実際に視力が低下してくると、今度は目を凝らしたり、首を前に出す姿勢になります。それらの結果、目が疲れ、首筋や肩が凝ったりします。とくに老眼は40代半ばから60歳ぐらいまでの間に急速に進み、この年齢は眼精疲労の患者さんの年齢層のピークとピタリと一致します。
◆ 斜視〈しゃし〉
本来は物を見るときには両眼が連動して動き、わずかに寄り目になって視線を一点に合わせます。斜視は両目の視線が一致せずに左右別々の方角を向いてしまうので、眼精疲労の原因になります。
◆ 眼瞼下垂〈がんけんかすい〉
まぶた(眼瞼)が垂れ下がってくる病気です。視野の上のほうが見えなくなるので、物を見るときに頭を後ろへ反らすなどしなければならず、眼精疲労の原因になります。
2.からだの病気が目に現れている
かぜやインフルエンザ、更年期障害、自律神経失調症、虫歯や歯周病、耳や鼻の病気などで眼精疲労になることが多く、その他の病気でも眼精疲労が起こり得ます。
3.目の使いすぎや‘視環境’の問題
あたり前のことですが、目は使えば使うほど疲れます。社会の情報化が加速度的に進み、目を使う環境‘視環境’は、ますます過酷になるばかりです。近年では、シックハウス症候群(住居の建材に含まれる化学物質などの影響による体調不良)と眼精疲労の関係も指摘されています
4.精神的なストレスの影響
ストレスが強くなると、その影響は、不安感が異常に強まる、イライラして落ち着かない、眠れないといった精神的なことに現れる一方で、からだに対しても、高血圧、血行不良、胃潰瘍といった多様な病気を引き起こします。その一つとして、眼精疲労が起こることがあります。
眼精疲労対策
1.病気が隠れてないかチェック!
眼精疲労の背後になにか病気が・・・
まず最初に大切なことは、眼精疲労の背後になにか病気が隠れていないかチェックすることです。視力や眼圧、眼底、視野、眼球運動などの検査を受けて、病気がみつかったら、その治療をします。原因を特定できない場合にも、ビタミンB製剤(細胞の新陳代謝を助けます)の点眼で、症状が改善することがよくあります。
2.メガネがあっているかチェック!
メガネやコンタクトレンズを使用している人では、それらが目にあっているかのチェックも重要です。なるべくなら、使用状況にあわせてメガネをいくつか作って使い分け、目の負担を軽くしてあげましょう
3.‘視環境’や‘視生活’をチェック!
作業時の照明の明るさ、姿勢をチェックしてみましょう。パソコンを使うのであれば、その位置も重要です。パソコン作業中はこまめに休憩をとって目を休め、軽い体操をしてください。
室内が乾燥したり空調の風が目にあたるとドライアイを引き起こします。また、眼精疲労の意外な原因として、周囲の人のたばこの煙もあげられます。これらについては職場に相談して調整してもらいましょう。
そして、睡眠を十分とりましょう。寝不足のときには、目を使う時間が長くなる一方で目を休める時間が減るのですから、目が疲れて当然です。
4.ストレス発散!
趣味や散歩、スポーツなどで、ストレスを解消しましょう。
鑑別診断
1.眼の病気によるもの
さかさまつ毛、結膜炎、角膜炎などによっても起こります。最近では眼精疲労の原因として、ドライアイが重要視されています。
緑内障も眼精疲労の原因になります。緑内障の初期には調節力が低下してくることがあり、老視が早くきたかと思い違いすることがあります。また、緑内障の一種である慢性閉塞隅角(まんせいへいそくぐうかく)緑内障の場合は、時々、霧がかかったように見えたりして眼精疲労と感じることがあります。
2.全身に原因があるもの
全身疾患によっても眼精疲労が起こります。高血圧、低血圧、糖尿病、バセドウ病、貧血、自律神経失調症、月経異常など、さまざまな病気で眼精疲労が発生します。
3.精神的なもの
職場での不適合、心身症、神経症なども眼精疲労の一因となります。
4.環境的なもの
紫外線や赤外線、過度の照明などの光刺激によるものがありますが、近年注目されているのがVDT作業による眼精疲労で、VDT症候群と呼ばれています。

漢方では、生体機能を担っている基本的な構成成分として、気、血、水の3つの要素があります。気は人体のすべての生理機能を動かす生命エネルギーであり、血、水は体を構成する要素です。血は血液に相当し、水は体液やリンパ液など体内の水分であり、血、水は気のエネルギーが原動力になって体の中を循環しています。

気、血、水は一定の量を保っていて、互いにバランスを取って、体中を巡っています。気、血、水の量のバランスがよく、循環が良好であると、体の新陳代謝、生体防御力、恒常性維持機能が十分に働いて、体の自然治癒力が高まります。

量の過不足、流動の乱れ、停滞、或いはバランスが取れなくなると、目、体が病気になります。漢方医学では、体の自然治癒力を高めるためには、気、血、水のバランスを良くし、循環を良好な状態にすることが必要条件と考えています。

漢方治療は気、血、水のバランスの調和、五臓六腑機能の調節によって、目の病気を治療し、全身的な機能を回復 、強化することが出来ます。

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1.眼精疲労に対する中医学(漢方医学)の認識

古人が「肝脈は目に注ぎ、目は肝竅たり」、眼精疲労は漢方には肝労と言います。近距離の眼の使いすぎで起きた目の張り痛み、乾燥感、かすみなどの症状です。目周りの骨の痛み、頭痛、眩暈、いらいら、どきどき、不眠、健忘の症状も現れる。性別、季節と関連がなく、近視、遠視、斜視、老眼、目を良く使う人、虚弱の人が良くかかります。

肝労の病名は唐の時代「千金要方・七竅門」に初めて記載された。該書には、”其読書、博奕等過度用目者、名曰肝労”。「黄帝内経」には、本病の発生が労心傷血と相関、「久視者必労心、故傷血」と書いています。明代著名医家傅仁宇の「審視瑤函」には、発病の原因が腎水(腎の陰)の不足と考えられます。要するに、眼精疲労は五臓の肝、心、腎と関連があります。

2.病証鑑別

緑内障も目の張り痛み、頭痛、目頭の酸痛、かすみの症状があるけど、眼底検査で視神経が萎縮、視野検査で欠損が見られ、目が硬く、視界がだんだん狭くなることが眼精疲労と区別できます。

3.眼精疲労の漢方治療

中医学では、五臓六腑の栄養物質が上行灌注で、目は物が見られ、五色の色見分けができると考えます。多くは肝腎不足、心血不足、脾胃虚弱、肝気欝結などの要素と深く関わりがあります。目の使いすぎ、用眼の不適切が誘因になります。バランスが崩れた五臓の機能を調節してから、眼精疲労の症状が大分軽減され、起きる頻度も段々減ります。治療を続けて、用眼を注意すれば、治癒も可能です。

(1)心血不足

◆原因:心が主る血は脈を通して目に栄養を与え、目の視機能が発揮できます。

出血・過度の心労などによる心血の消耗、あるいは脾虚で血の生化の源が不足すると、目の栄養が足り無くなって、眼精疲労になります。

◆症状: ドライアイ、目の乾燥感、痛み、頭痛、動悸、眩暈、手足のしびれ感、舌質はやや淡白、脈は細。

◆漢方薬: 地黄・当帰・麦門冬・酸棗仁・天門冬・ハクシニン・遠志・キキョウ・茯苓・丹参・党参など

(2)肝腎不足

◆原因:目は肝が貯蔵している血、腎が貯蔵している精、気(栄養物質)を受け取って、視機能を実現している。血、精、気が不足だと、目が栄養不足になる。

◆症状:目が脹って痛い、用眼が時間長いと症状が重くなる。ドライアイ、酸痛、他に頭が脹り、眩暈、耳鳴り、健忘、不眠、腰や膝がだるく痛む、冷え、疲れ、夜間尿が多い。舌質はやや淡白、脈は沈細、無力。

◆漢方薬:枸杞子・牛膝・地黄・山茱萸・山薬・茯苓・沢瀉・菊花・附子・桂皮など

(3)肝気欝結

◆ 原因:七情内傷によって肝の疏泄(肝気の流れ)が欝滞し、陽気の停滞あるいは平素から内熱があるために、引き続いて肝火の症状が現れること。

◆症状:目が痛い、光に弱い、涙が出る頭痛、目頭が痛い。憂鬱感、情緒不安定、ヒステリー、しゃべりたがらない、ため息、胸脇部が脹って痛い、胸苦しい、食欲不振、吐気、排便してもすっきり出ない、便が細い、便秘と下痢が交互に生じる、頻尿などが見られます。舌質は淡紅、舌苔は薄白、脈は弦。

◆漢方薬:山梔子・牡丹皮・当帰・芍薬・薄荷・茯苓・白朮・菊花・柴胡など